趣　旨

①農業水利施設は、農業生産面の役割だけではなく、水資源の涵養や環境保全など多面的機能を有している。これらの施設の多くを土地改良区が管理しているが、担い手の減少や高齢化の進行など農業情勢の変化に加え、農業集落の都市化、混住化の進展などにより、土地改良区の管理体制は脆弱化しつつある。

②滋賀県においては、水田農業を持続的に発展させるため、その基幹となる農業水利施設の適正な管理という観点から、既存の管理事業の活用により公的管理や各種設備補修の事業実施が展開されている。

③近年、環境に対する住民意識の変化により、農業水利施設の持った多面的機能の発揮に対する養成が高まり、これらに対応するためには環境への配慮や安全管理面の強化などにより複雑かつ高度な管理が必要となった。

④地域住民が享受している農業水利施設の多面的機能について、地域における適切な取り組みを促進するという観点から、食料・農業・農村基本法にうたわれたこれらの機能等が地域に定着し浸透するまで、県。町連携のもと土地改良区等の管理体制を整備する。

事業内容

①管理体制整備計画の策定
　適正な管理水準、管理体制、費用分担などの具体的な目標を設定し、その推進及び定着方法について定める。（現況調査、意向調査、計画策定）

②管理体制設備の推進活動
　推進協議会の活動等を通じて地域における協議調整や合意形成を図る推進活動。(推進協議会の運営、農家・地域住民への啓発普及と連携調整活動)

③管理体制の整備・強化に対する支援（農業生産活動に係る部分を除く）
　多面的機能の発揮や管理の高度化を対象とした管理の実践に対する支援（多面的機能の発揮に対応した管理、環境や安全に配慮した高度な管理、補完的施設整備）